十二.
次の日の朝、一行はティリオンが見た赤い岩山の中を進んでいた。
昨日の夜のうちに草原は終り、この岩山のふもとで、野宿したのだった。
ぼこぼこといやに赤い岩が連なり、その間を吹き抜ける風は強かった。
時々小さな石までも飛んできて、かざした腕に当たっていった。
「何でこんなに、風が吹くんだろう。」
帽子を目のあたりまでおろして、ズナゴムの腕に隠れていたモムが言った。
「どうやら、少しずつおりていってるみたいだぞ。道がわずかだけど、ななめになってる。」
重たい斧を肩から下げて、先頭を歩いているデモが言った。
「ひでえ砂だ。」
口に入った砂を吐き出しながら、ズナゴムがつぶやいた。
道ははかどらず、かといって休む場所もなかった。
昼を少し過ぎた時、風に逆らうよう に、デモが大声で叫んだ。
「ここからは進めない。前は深い谷だ。」
ティリオンとリマは駆け出すと、下をのぞき込んでいるデモと並んだ。
そこは深い谷のふちになっており、砂ぼこりでむこう側は見えず、かといって、下りて行く道も見当たらなかった。
「ここは、ティリオンに頼むしかなさそうだな。」
「風が強いのが気がかりですが、やって見るしかないでしょう。」
「みんなを乗せて飛べるのかい?」
「ええ、デモが増えたくらいなら、大丈夫ですよ。ただ、風で誰か落ちるのが、少し心配ですけどね。」
「おらは大丈夫だ。」
デモは胸をはり、リマはそれを見て微笑んだ。
その時だった。
「うわ−い。」
「たすけてえ。」
モムとズナゴムの悲鳴が聞こえ、三人は声のした方へ駆け出した。
「モム!」
「どうしたんだ、ズナゴム!」
さっきまで、モムとズナゴムのいた所は、大きな穴になっていた。
中は真っ暗で、かなり深いらしく、かすかに風が吹きあげてきた。
「どうやら、道が決まったようですね。」
「ティリオンは、入れるかい?」
「ええ、このくらいなら。でも先へいって、穴が狭くならなければいいんですが。」
「おら、先に入ってみる。」
デモはそう言ったかと思うと、穴の中に滑り込んでいった。
「ちょっと、デモ!」
ずるずるとすべって行く音がして、かなり下からデモの声が聞こえた。
「こりゃあ深いぞ。明りがなくちゃあ本当におっこちたと同じだ。」
「よし、今行く。ティリオンは、ぼくがデモの所についたら来て。」
リマはそう言うと、穴に降りていった。
しばらく暗闇で動く気配がすると、穴の中がぱっと明るくなった。
ティリオンがのぞき込むと、はるか下の方に明りがともり、リマが手を振っていた。
ティリオンは翼をたたみ、そっと穴のふちに足をかけると、一気に下に降りていった。
リマたちがいたのは、急な穴の斜面に突き出ている大きな岩の上で、穴はそこから、さらに大きくなっていた。
「私がつっかえる心配はなさそうですね。」
「どこまで続いているんだろう。」
「ねえ、ティリオンさん、ここから、その、飛んで行く事は出来ねえかなあ。」
デモが遠慮がちに言うと、ティリオンは優しく答えた。
「ティリオンでけっこうですよ。でも、飛んで行くのは、ちょっと無理でしょう。
飛ぶには翼をいっぱいに、開かなければならないから。」
「じゃあ、考えてたって始まらない。行くしかねえ。」
デモが立ち上がり、リマとティリオンもつられて立ち上がった。
その時、三人の足元が、ぐらっと揺れたかと思うと、その岩は斜面をすべり出した。
「うわ−っ。」
「落ちる!」
たいまつはどこかへ飛ばされ、岩のかけらや砂とともに、三人は暗い穴をどこまでも落ち続けていった。
「リマ、リマ、しっかりして。リマったら。」
うっすらと目を開けると、心配そうなモムの顔があった。
「よかった、大丈夫?」
「ここは・・・。」
「ほら。」
モムは上を指さした。そこは赤く煙った空で、両側に黒々と谷のふちが見えた。
リマは起き上がり、後ろを見ると、切り立った谷の側面に、大きな穴がぽっかりと口を開け、
手前には岩や砂がうずたかく積もって、小山になっていた。
「みんなは?」
「今、ズナゴムが捜してる。」
「無事だといいけど。」
リマが坐り込んで、肩についた赤土をはらうと、ズナゴムのどら声がした。
「おうい、リマあ、大丈夫だかあ。」
ズナゴムの後ろから、ティリオンとデモがふらふらしながらついてきた。
ティリオンの真っ白な身体は赤茶に薄汚れ、デモの帽子はつぶれていた。
「みんな、けがはなかったかい?」
「わたしたちは大丈夫。素晴らしく汚れてますけどね。リマこそ大丈夫ですか。」
ティリオンは羽ばたいて、砂を飛ばしながら言った。
「うん。ありがとう。ところで、モム、なんであんな所に穴ができたの?」
「ぼくたちにもわからないんだ。
ズナゴムがぼくをかかえて、うずくまっていたら、急に足元がぐらっときて、そのままここへ直行さ。
さいわいすべり落ちただけで、何のけがもしなかったからいいけど、
お尻をさすりながら、ズナゴムとどうしようか考えていると、また大きな音がして、三人が飛び出してきたっていうわけ。」
「みんな、けががなかったのが何よりだね。少し休んだら、早速ティリオンのお世話になろう。」
みんなはため息をついて座り、身体の砂をはらったり、顔をこすったりした。
「でも、リマ、ここは何て不思議なながめなんだろうね。
変な形の岩ばかりだよ。ほら、あそこのなんか顔みたいだし、こっちのは足みたい。」
「風で削れたにしては、この谷底には風が吹いていないしね。だけど、これが足だとしたらとんでもなく大きな身体になるね。」
砂といっしょに流されてきたのが幸いしたのか、しばらく座って休んでいると、
どんなにはらっても汚れは落ちなかったが、疲れだけはとれてきた。
「そろそろ行きましょう。私ならもう大丈夫です。」
ティリオンがそう言うと、みんなもひざをはらって立ち上がった。
「いいですか、順番に乗って下さい。」
みんなしっかりとティリオンにしがみつき、ティリオンは大きく羽ばたいた。みんなはふわっと浮き上がり、風が顔にあたった。
突然ティリオンはがくんとゆれて、首をふっていなないた。
「どうしたの?」
「大丈夫?」
みんなは口々に叫んだが、ティリオンは必死で翼を動かしているだけだった。
みんなを乗せたまま、ティリオンは羽ばたき、そのくせ身体は少しづつ少しづつ、下がって行くのだった。
「リマ、下を見て。」
モムの叫び声が風にかき消され、リマは下をのぞき込んだ。
ティリオンの足は、岩と同じ色の大きな手につかまれ、ぐいぐいと引っぱられているのだった。
もっと身体を乗りだして見ると、それは岩で出来たような、大きな巨人のものだった。
巨人は丸い岩に開いた小さな目を、じっとティリオンにそそぎ、ゆっくりと、確実にリマたちを引き寄せていった。
ティリオンが羽ばたくのをあきらめ、
ズナゴムがいつでも振り回せるようにこんぼうを握りしめた時、
強い衝撃とともに、みんなは太い腕に抱きすくめられていた。
「こらあ、おらたちをはなすだあ。」
自分の腕くらいもある指の間から、こんぼうをつきだしてズナゴムはどなった。
「う、うるせえちびだあ。」
巨人はぶつぶつ言いながら、どすんどすんと地響きをたてて歩き始めた。
「よく寝たなあ。」
リマたちを抱えたまま、大きなあくびをすると、巨人は鼻をこすった。
「どうしよう、リマ。」
「おらたち、このまま、どこに連れて行かれるんだろう。」
「モムもデモも心配しないで。とにかく話してみるよ。」
リマは首だけ出して、ありったけの大声でどなった。
「ねえ、巨人さん、ぼくたちをどこへ連れて行くの?」
「ああん?」
「ぼくたち、行かなくちゃならない所があるんだ。」
「おめえ、何だ?」
「ぼくはリマ。」
「みま?なんじゃそりゃ。」
「みまじゃないよ、リマ。人間だよ。」
「何だ、やっぱり人間じゃねえか。だども、ほかの白いやつや、もしゃもしゃや、まめみてえなのは何だあ?」
「ええと、ペガサスと森トロ−ルと、コボルトにドワ−フ。」
「ペルボルフだあ。そんなもんしらねえぞ。」
のんびりしているのはしゃべり方だけで、大きな足は、さっさと前に進んでいた。
「ぼくたち、あっちへ行かなくちゃならないんだ。お願いだから、はなしてくれない?」
巨人はもう何も答えずに、谷の底を歩き続けた。
リマはあきらめると引っ込んで、首をふった。
「しかたがありません。どこへ連れて行かれるかわかりませんが、しばらく様子をみてみましょう。」
ティリオンがなぐさめるように、リマを見て言った。
巨人は歩き続けた。休まずに、疲れた様子は、まったく見せなかった。
ただ、その歩数からいえば、それはリマたちの散歩のようなものだったのかも知れないが。
日が暮れる頃、むこうに燃え上がる大きな炎が見えた。
炎は天を焦がすように高く、その光が赤い岩に映えて、空は夕焼け、炎の国に迷い込んだようであった。
巨人は足を速めていた。
やっと巨人が足を止めたのは、大きな大きな炎のそば、谷底にある小さな小山の中心で、燃える焚き火の前だった。
「こいつら、つかまえただ。」
巨人は小山に話しかけた。
すると、二つの小山は振り向いた。
リマたちが驚いてよく見ると、小山に見えたものは、うずくまる巨人たちで、リマたちをじろっと見ると、もそもそと口を開いた。
「そら、なんだね。」
「よくわからねえ。なんでも、このちっこいのが言うには、ペペボルボだそうだ。」
「ペペボボだあ。それはくえんのかい?」
「ペペボじゃねえ、こいつはペルボルっていっただ。」
三人目が言うと、リマたちを抱えている巨人は、首を振った。
「おめえたちは頭がわりい。おらはペルボルボって言ったんだ。」
「ところで、そのペルボラってのは、なんなんだい?」
「そりゃあ、おめえ、こいつが言ってるようにな、人間のペロボルが・・・。」
果てしなく同じ会話が繰り返され、モムが捕まっていることも忘れて、口を出しかけた時、
ようやく本人たちに聞いてみようということになった。
「おめえたちはいったい、なんなんだあ。」
焚き火のむこう側にすわっている巨人がたずねた。
「ぼくたちは人間、ペガサス、森トロ−ル、ドワ−フ、それにコボルトだよ。
みんないっしょに旅をする仲間なんだ。
わかったかい?
ところで君たちは誰なの?こっちばっかりきくのはずるいや。」
誰よりも早く、待ちかねていたようにモムがまくしたてると、巨人たちはぽかんとして顔を見合わせた。
「おらたちのことだあ?」
「そうさ、君たちはただの巨人なの?それから、ぼくたちをどうしようっていうの?名前くらいは教えてよ。」
「いろいろうるせえ、ちびだなあ。おらの名前はドンゴ、あっちのがデンゴ、焚き火のむこうにいるのがボンゴだ。」
「いや違うぞ、おらがデンゴだ。おめえはボンゴじゃねえか。」
「なに言ってるんだ、おらがドンゴで」
「うんにゃあ、おめえがボンゴ」
「おめえこそドンゴ」
「わかった、わかった。名前はもういいからさ、君たちは巨人なの?」
「そうだ、おらたちは巨人よ。」
「違うぞ、岩巨人だ。」
「岩巨人だって巨人だ。」
「いいや、岩巨人は岩巨人で、巨人は巨人だ。」
「岩巨人だって巨人だろ。」
「しょうがないな。これじゃあ、話が何も進まないよ。話すのは誰か一人にしてくれない?」
「たしかにそうだ。このちびも、たまにはいいことを言う。これからはおらが話すだ。」
リマたちをだいた巨人が、そう言ってどしんと腰をおろした。
「それじゃあ、ついでにぼくたちを降ろしてくれない?その方が、話しやすいと思うんだけど。」
「そうだ、そうだ。そのちびの言う通りだ。下に降ろした方がいい。」
「話すのはおらの役目だ。おらだって、そうしようと思ってただ。」
岩巨人はリマたちをそっと、自分の前に降ろすと、胸をはった。
「ねえ、ぼくたちをどうするの?」
モムはこわばった体をさすりながら聞いた。
「そりゃあ、もちろん決まってる。今日の晩ごはんにしようと思ってよ。」
三人の岩巨人たちはそう言うと、大口を開けて笑った。
デモとティリオンがリマの顔を見ると、リマはくちびるに指をあてて、うなずいた。
みんなはリマに何か考えがあるのがわかると、何も言わずにリマを見つめた。
「ねえ、岩巨人さんたち、ぼくたちは食べられるんでしょ?」
リマは、三人の巨人を見まわして言った。
「ああ、ぱっくりとなあ。」
「ぼくたちのなかで、誰が一番おいしそうに見えますか?」
「ええと、そうだな、やっぱり、あの白い羽根のはえたやつだろな。」
「おらもそう思うぞ。」
「白いやつがうまそうだ。」
「でも、あれは一匹しかいませんよ。誰が食べるんですか?」
「そりゃあ、おらに決まってる。」
リマたちを連れてきた巨人が、さも当然という顔でうなずいた。
「それは違うぞ。この前、おらが鹿をつかまえたときにゃ、おめえが一番いいとこを食っただ。
今度はおらがいちばんいいとこを食う番だ。」
「いやあ、デンゴ、その前の豚のことを忘れちゃあ、いねえだろな。」
「豚あ?そんなもん食ったかね?それにおらはデンゴじゃねえ。おらはボンゴだ。」
「おめえたち、おらが白いのを食うって、きまっちまってるのに、何を話してるんだ。」
「そんなもん、決まってねえぞ。」
「いいや、決まってる。ただそれはドンゴに決まってるんじゃなくて、このボンゴに決まってるってことだがな。」
岩巨人たちは果てしなく言いあい、あたりが焚き火の炎以外、まったくの暗闇になってもやめようとはしなかった。
リマは黙って見ているだけで、巨人たちが話すままにまかせていた。
モムがじれったくなって、一度口をはさもうとすると、リマは黙ってそれを手で止め、
落ち着いた様子で下にすわると、みんなにもすわれと手で合図した。
「だから言ってるじゃねえか、おらは白い豚なんか食ってねえ。」
「おめえの食ったのは鹿で、それは白くはねえぞ。」
そのうち巨人の一人が大あくびし、それに続いて残る二人もあくびした。
それを見ると、リマは立ち上がって、三人の真ん中へ入っていった。
「どうですか、皆さん。今日はもう遅いし、明日また、もう一度話してから、ゆっくりぼくたちを食べてはいかがですか。
ぼくたちもゆっくり寝かせてもらった後の方が、おいしい味になるような気がするんです。」
リマたちを連れてきた巨人は、さも疲れたように深いため息をついた。
「このちびの言う通りだ。今日はもう寝るべえ。」
巨人はそう言って、リマたちを腕の中に抱え込むと、あとの二人をじろっと見てから、少し離れた所で横になった。
モムはあやうく大きな身体に押しつぶされそうになって、ティリオンのかげに隠れた。
しばらくすると、離れた所で大きな二つのいびきが聞こえはじめたが、
リマたちを抱えた巨人は寝心地が悪いのか、それともあとの二人を警戒しているのか、なかなか眠らなかった。
「ドンゴさん、眠らないんですか?」
「ああん?」
「少しお話があるんですけど。」
リマは耳の中に、頭をつっこむようにして話しかけた。
「ねえドンゴさん、明日になったら、また話を始めるんですか。」
「ああ。しかたがなかろ。」
「ぼくだったら、夜のうちにぼくたちを連れて、どこかへ行ってしまうんだけどなあ。」
「どっかにいってどうするね?」
「どこか二人の知らない所で、ゆっくりぼくたちを、全部一人で食べちゃうんですよ。
それに、さっきは言わなかったけど、実はぼ
く、ぼくたちの一番おいしい食べ方を知っているんです。
びっくりして開いた口がふさがらないくらい、おいしい食べ方なんですよ。」
「そ、そんなにうまいんか?」
「よだれなんか、止まらないこと、うけあいです。」
巨人は思わずにまっと笑って、もう、口から流れ出しそうになっているよだれをすすり上げると、あたりを見まわした。
そして、大きないびきがふたつ、聞こえてくるのを確かめると、リマたちを抱いたまま立ち上がり、足を忍ばせてそっと歩きだした。
しかしそれでも、巨人の足音は静かな夜に大きく響き、リマは思わず首をすくめた。
「白いのはおらが食う・・・。」
突然、小さくなった焚き火のむこうで、声がした。
巨人は立ちすくみ、声の方を振り返った。
ちらちらと燃える焚き火のむこうで、大きな身体が寝返りをうち、しばらくすると、また、寝息が大きないびきに変わった。
「ドンゴさん、大丈夫、寝ごとですよ。」
自分に言い聞かせるようにリマが言うと、ドンゴはうなずいて歩きだした。
夜は刻々と過ぎてゆき、巨人が足を止めたのは、東の空がぼんやり明るくなった頃だった。
リマたちには、どっちの方へ向かっているのか、そして、どこへ連れていかれようとしているのか、まったくわからなかった。
わかっていたのは、谷から出てはいない事、そして捕まった所と反対に向かっている事だけだった。
「ここらでよかろ。そんじゃ、おまえたちのうまい食い方を教えてくれ。」
「わかりました。じゃあまず、てのひらにぼくたちを乗せて下さい。」
「おらのてのひらには、みんなはのらねえだよ。」
「じゃあ、この白いペガサスに、ほかのみんなが乗ればいいでしょう。」
「ほんとだ、ほんとだ。おめえは、あたまがいいなあ。」
ズナゴムを先頭に、四人がみんな乗りおわると、リマが言った。
「じゃあ、てのひらに乗せたまま、右側の谷の縁に、ぼくたちを降ろして下さい。」
「まだ食えねえのかい?」
「ここが一番大事な所なんですよ。これで、すべてが決まるんですから。」
「ああ。」
巨人はみんなの乗ったティリオンを、そっと谷の上にあげた。
「これでどうするだ?ちびっと高すぎて、食いにくいみたいだがなあ。」
巨人が手をおろして、ティリオンを不思議そうにながめた時、リマがどなった。
「飛んで!ティリオン!大急ぎ!」
ティリオンは大きく羽ばたくと、一気に空に駆け上がった。
「さようなら、ドンゴさん。どうもありがとう。」
リマは大きく手を振った。
巨人は口の中にたまったよだれが、流れ出すのにも気付かず
に、大きな口をぽかんと開けて、リマたちを見守っていた。
みんなもそれを見ると、口々にありがとう、と手を振って笑いかけた。
空は深い藍色が、東の方から焼けるようなオレンジ色にかわり、その中心の真っ赤な太陽が一日の始まりを告げていた。