第6章 出会い




「雑魚ばかりが!私をなめるな!」




早苗嬢が腰から引き抜いた小ぶりな斧を放ると数体の敵を貫いていった。







「無駄な真似をぉ!射殺せ!グングニル!」



レッドビーが魔力を纏わせた槍を放つ。







強大な魔力の結晶は、敵を貫くと引き寄せられるように手に戻った。





「『溢れる汚水に片身を浮かせて!恥ずべきやつだ!』黒濁流!」




ヒューガ大佐の唱えた『黒呪詔』によって生み出された汚水の濁流が魔物を飲み込んで
いく。








各々が獅子奮迅な戦いぶりを見せていく。




「大丈夫か?ヒューガ」


「ああ。そっちこそ戦えるのか?」


「少し魔力がやばいな。こいつらを倒して少し休もう」

洋パパはそういうと片手で印を結ぶ。




その途端に足元に魔方陣が展開される。






「『鳥居から落つ男のただれて泡吹き金切り笑う!




鮮血に染まった女は己ののど笛切り裂き痙攣!



劈く音して一瞥!先には双眸を縫ったお狐様の行列が股開く!』」







血が乾いた色のような鳥居が現れ、そこから血走った目をした狐たちがしゃなりしゃなりとあらわれる。





現れた狐達は一瞬の瞬きの間に敵の元に向かっていき、敵を食らっていく。






「ずいぶんと不気味なやつと契約したものだな」




「『堕稲荷』っていう中級神さ」




「後どれくらいだ?」




「さぁ。・・・さてまた行くか!」




そういうとカルマを握りなおし敵の中へと向かっていく洋パパ。








「若いな・・・」




ヒューガはそう言うと『黒呪詔』を唱え始めた。















「ふぅ・・・・これで三百七十四体目か・・・・」




伏一貴が、殺した魔物の上で休んでいると頭の中から声が聞こえてきた。








クルシイ・・・ダセ・・・・チヲ・・・・





「うるさいな・・・黙れ」




そう吐き捨てると、伏一貴は再び立ち上がって魔物の山に向かっていった。












「ガァァァァッ!」






グシャッ!バキッ!ギリ・・・ギリ・・・


カルリラは左手を輝かせ目を血走らせ、涎をだらだらと垂らしながら敵を殺していく。




「う・・・ん・・・」


幼いうめき声にカルリラはそちらのほうを向き、向かっていく。






「!・・・・この子は・・・?」




カルリラは慌てて声の主だろう者を抱く。


整った顔立ちに白い肌。腰まであるであろう長い髪は少女のようだ。






「魔物・・・なのか・・?」




カルリラは少しうろたえた声を上げた。









ブオオオオオオ!!




不意に鳴り響いた大きな音に魔物は一目散に退散していく。


もともと機動力が高い魔物ばかりなのであっという間に姿が見えなくなってしまった。




「・・・・」

セレスフィアは剣の血を払い、鞘に収めた。




「終わったか・・・」

ラスフェルはそう言うと剣をしまった。



「・・・・要塞が見えない・・・」

思いの他、遠くまで来てしまった伏一貴。









「お疲れ・・・ってどうしたのそれ!?」





「わかんない!でもほっとけなくて・・・」




カルリラの腕にはぐったりとした白髪の子供がいた。










「と、とりあえず技術研に連れて行く」






ラーウィとカルリラは慌てて要塞の中に駆け込んだ。













こうして全ての始まりである戦いは終わった・・・
















光が届かない深い深い闇の中。



整えられた部屋の奥には玉座。




その上には一人の人間が座っていた。





「・・・結果・・・無事、帰還した者は一割も満たしません。ですが・・・『魔法帯』を描くことには成功しました・・・」



「・・・・・・・」



玉座の人物は部下の報告を何も言わずに聞いていた。


部下の方は、その威圧感で手がカタカタと震えている。





「これで・・・戦況は以上です・・・」

報告を終えた部下が部屋から出て行こうとした。



「・・・待て・・・」


玉座の人物の声にビクッ!っとする部下。




「他にも言う事はあるだろう。私は馬鹿ではないぞ?」



あくまで優しい口調。


だが、嘘をつけば瞬く間に消されてしまうだろう。



部下はおそるおそる言った。



「四龍が・・・消失しました・・・」


「消失・・・?」


「はい・・・」




「『貪る蛇』は?」





「火、地に関しては完全に描けています。ですが、水は未完全、風に至ってはまったくかけていません・・・」


「そうか・・・」




そう言うと手を払う玉座の主。




部下は深々と頭を下げて出て行った。







「さて・・・・一応探してもらうか・・・」




王座の主はそう呟くと、立ち上がりどこかへと闊歩して行った・・・

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