作者/ガーヴィン 編集&訂正/セレスフィア


季節は一月、アデンも例に漏れず寒い。しかし今年の冬は・・・



ビュゴオオオオオオ・・・・・









外は吹雪いており、雪は窓ガラスをバンバンと叩く。














そんな記録的な豪雪の中、アトモスのアジトには特大コタツに入って話し合っている人影があった。





「さむい・・・・」




コタツに包まりながらぶるぶると震えているのはダークエルフの伏一貴。






「さすがにこの寒さは想定の範囲外ってやつだ」



と、ラスフェルが暖かいカフェオレを口に含みながら呟く。








「しかも木造だから・・・」



「隙間風がすさまじいな・・・」




コタツに潜り込むイリューザーの言葉をディヴァルドが引き取る。






「今年の冬は異常だぞ?例年なら雪が少し積もるくらいなのに」



ラーウィは、携帯ゲームの画面から視線を外さずに言葉だけを返す。









「カルリラさん、飲む?」



「お、いいねー」



バルファーレがどこからともなく取り出した酒を飲みながらミカンの皮を剥くカルリラ。








「そういえば姫は?・・・そこだ!」



「さぁ・・・見かけないな・・うお!卑怯だぞ!」



テレビの前で格闘ゲームに奮闘しているの洋パパとラスフェス。










「えーっと・・・三番コードをここにつないで・・・」



ガーヴィンは、スノーボードの後ろに何かを取り付けようと躍起になっていた。






「ガーヴィン・・・うるさいし耳障りだからやめてくれ」



「あいお」



伏一貴に騒音で文句を言われたガーヴィンが部品を片付けていると・・・





バタン!



不意に扉が開き・・・


ビュゴォォォォ!







雪を帯びたすさまじい風が中へと吹き込みアジトの温度を下げる。





そして扉にはスノーマンが・・・いや、雪を被ったセレスフィアが立っていた。











「ただいま!いや〜〜外の雪がすごいのなんのって・・・」





「「「「「「早くドアを閉めろーーーーーーーー!!!!!」」」」」」







あまりの寒さに中にいたクラン員は一斉合唱。




セレスフィアも慌てて閉めるが、部屋の温度は相当奪われた。







「いやーごめんごめん」




と、苦笑いを浮かべながら雪を玄関ではらうセレスフィア。






「まったく・・・外で何やってたんだ?」



伏一貴がため息をつきながらセレスフィアにタオルを差し出した。






「あー。またあったまるのに時間がかかる」





ラスフェルは少し冷えてしまったカフェオレを一気に飲み干し、いそいそとセレスフィアに喜んでもらう為だけに新しいカフェオレを作りに寒いキッチンへと向かう。








「明日には体があったまる事をするから大丈夫よ〜〜」




セレスフィアはラスフェルに「ミルクを多めにね」と注文をつけながらコタツに入る。





「あーそれ、自分は参加無理っす」



と、ガーヴィン。







「なんか用事でもあったのか?」


ラーウィがガーヴィンを見上げながら聞き返す。





「あー・・・ちょっとね・・・」



詳しい理由は言いたくないのか、言葉を濁すガーヴィン。







「ガーヴィンは明日用事あるのか〜・・・あ、あたしはもう寝るねー」


カルリラがコタツから立ち上がり寝室へと向かうと、




「それじゃあ俺も・・・」




「私も寝ます〜〜おやすみなさい」




「は〜い、おやすみ」




次から次へと仲間たちは寝室に向かって消えていった。









「くそ・・・あと少しなんだ・・・」



皆が部屋へと戻る中、ガーヴィンだけは結局リビングに居座ったままだった。












翌日・・・・





「ふぁ・・・・さみぃ・・・」




伏一貴はベッドの側にかけてあった半纏を羽織るとリビングへと降りた。






すると、一階の窓からは光が入らず、部屋が薄暗い。






「なんだ?これは・・・」





伏一貴はドアを開けようとしたが、ドアはピクリとも動かなかった。








「おはよー・・・何これ?」





起きてきたカルリラも異変に気付き、ドアと格闘している伏一貴に尋ねてきた。






「さぁ・・・大方、雪じゃねえのか?昨日めちゃくちゃ降ってたしな」




「雪が塞いでるのかなぁ〜・・・ところで、ガーヴィン見なかった?」



「いや?見てないが・・・そういえば居ないな・・・・」















その頃・・・


ブオオオオオオン!!





ガーヴィンは雪の上を疾走していた。




その足にはスノーボードが・・・正確には後ろのほうに空気抵抗のほとんどないカバーに包まれた機械が備えられており、その機械に繋がった黒い翼がエックス状に展開され、青い光を出しながらすさまじいスピードで超低空飛行していた。






「くそ・・・まだ売っているか?・・・」










それは数日前・・・




「あの双子たちの甘い台詞に勝てるものはないぜ」



「果たしてそうかな?あのゲームを知らないからそんなことが言える」



ガーヴィンとラーウィはひょんなことから、とあるギャルゲー(女の子たちと仲良くなって、そのイベントを楽しむゲームのこと)について論争になった。





しかし先に吹っかけたガーヴィンがラーウィに負けてしまい・・・



「いいだろう・・・だったら買って、証明してみましょう」



なんてことを言ってしまったのだ。








数日かけてアデン周辺の店を回ったのだが、見つからなかったので、こうしてギランへと高速で向かっていた。





「今月は出費がかさばるなぁ・・・ちきしょーー!!」




途中で何かを轢いたような気がしたが、ガーヴィンは気にせずに走り続ける。















一方、その頃アジトでは・・・・




起きてきたクラン員たちが屋根の上に立ててある旗と数十メートル先に立ててある旗、そしてその間にある数枚の氷の壁を目の前にして呆然と立ち尽くしていた。






「これは・・・?」





ラスフェスが怪訝そうな顔でセレスフィアを見る。







「雪合戦だよ♪」




と、セレスフィアが楽しそうに答えた。








「まさか、体があったまるものって・・・」




「これのこと?」



ラーウィとカルリラが同時に理解した様に答えを出す。










「この壁は・・・どうしたんだ?」




イリューザーが目の前の氷の壁をしげしげと眺めている中、







「昨日の夜に大きな氷の壁を作ったんだけど・・・なかなかいい具合だね〜」



と、セレスフィアが氷の壁を剣で叩いて強度をアピール。








「めんどくせぇ・・・」



伏一貴はやる気が無さそうに項垂れている。






「寝かせてよぉ〜」


バルファーレは朝早くに起こされてまだ眠そうに目を擦っていた。







「はっくしょい!」



と、大きなくしゃみと共に肩を震わせるディヴァルド。(風邪か?)










「今回はね〜、勝者チームにはハロゲンヒーターをプレゼント!負けたほうのチームには声優のラジオでフルネーム投稿を・・・」



「やるか・・・」



「ヒーターは欲しいからね〜」



「・・・・」



セレスフィアが淡々と雪合戦の説明をする中、プレゼントの魅力と罰ゲームの屈辱さがやる気の無かった一同の闘心に火をつけた。









クジの結果、チーム分けは





Aチーム(アジトの屋根側)
ラスフェス
カルリラ
イリューザー
伏一貴
ラーウィ





Bチーム(雪原側)
バルファーレ
ディヴァルド
洋パパ
セレスフィア
ラスフェル




となった。







また、ルールは


・攻撃魔法の禁止

・雪玉以外の攻撃は認めない

・雪玉に当たった者は旗の下で十秒待たねばならない
(なお、その時に手出しは無用)

・三回勝負



このような形になった。










「冬のスポーツ(?)雪合戦・・・スタート!」





セレスフィアの合図をスタートに、雪合戦は始まった。













各チームは互いに壁に隠れあうと、攻撃のチャンスを覗っていた。





だが・・・





「こんなちまちましたのじゃつまらないな・・・」



Aチームのラーウィはそう呟くと、ヘイスト+ウインドウォーク+DEX魔法を自分にかけて雪玉を防ぐ壁の上に登った。




「よぉし・・・・行くよ!」



ラーウィは勢いを付けると、壁の上をひょいひょいと跳びながら猛スピードでBチームへと突撃を開始。







「なっ・・・!?」




「うおっ!!!」




自分の頭の上を華麗に飛んでいくラーウィの姿に、Bチームはあっけにとられてしまい、雪玉を投げる暇すらなかった。
(なお、全員ズボンです・・・決してスカートじゃな(ry)






そして旗の上までたどり着いたラーウィは、旗を掴んでくるりと一回転して地面に着地した。




「秘技!八艘跳び!」




ラーウィの鮮やかな美技で一回戦はあっさりとAチームの勝利で終わってしまった。







ひゅっ!




ひゅんひゅん!!



ずどどどどどどどどっ!!!










二回戦からはBチームの激しい攻撃が始まった。









おかげでAチームは少しも攻撃することができないでいた。




なにせ、Bチームの攻撃は矢じりを雪玉にして攻撃してくるのだから、命中精度が格段に良い。








サク・・・サク・・・





そんな中、微かに・・・しかし確実に、Aチームに向かって行く足音があった。





「ん・・・・?」




聴覚が良い伏一貴は、その足音に逸早く気付いた。




足音のする方を見ると、雪に付いた足跡が旗に向かっている。






「!?ちっ、油断した・・・ディティクション!!!」




まばゆい閃光が辺りを包み、インビジリティで透明化していたバルファーレが姿を現した。





「よく見破ったけど・・・もう遅いよ!」





バルファーレは自分の目前に迫っていた旗を素早く抜いた。






「くっ・・・やられた!」




二回戦はBチームの作戦勝ちで終わった。








「うおおおおお!!」









三回戦は互いに激しい戦いになった。





外套を使って雪玉を防ぐかと思ったら、魔法に乗せて何個も雪玉を当てていく。




互いの旗の下には常に誰かが居て守る状態になり、接戦になった。







「くらえええ!」




「効くかぁ!」




「八艘跳び!」




「ふん!隙だらけだ!」




互いにいくつもの雪玉を投げていく。







しかしAチームはペースを考えずに投げてしまい、雪玉が無くなってしまった。



Aチームからの攻撃が無くなったBチームは、全員で旗の方へと突撃を開始。







「何が何でも阻止するんだ!」





ラスフェスの一言でAチームはBチームに対して旗を囲み守りに徹する。



そのまま屋根の上で取っ組み合いが始まった。








めり・・・めり・・・








足場の屋根が妙な音を立てるが全員気にしていなかった。









「ハロゲンヒーターは渡さない!」




「それはこっちの台詞だ!」





ドスンバタンと屋根の上で争いは続く。










そして・・・・






めり・・めり・・・





バキバキバキィ!


ドスーーーン!!








何人もが屋根の上で暴れ、その衝撃に耐え切れなくなった木造建築の屋根は大きな穴を開けて抜けてしまった。






二階へと落下したクラン員たちは全員目を回して気絶。
















ブウウウウウウン・・・




行きはエックス状だった翼が今は普通の形となっているスノーボード『Xウイング』に乗ってアデンの町に帰ってきたガーヴィンは、手に大きな紙袋を持っていた。





「・・・・・・・・」




ガーヴィンは目的の物だけを手に入れて帰ろうと思っていたが、様々な物を前に理性を無くし、思わず大量に買ってしまっていた。








「あ〜あ・・・給料日(クラハン)まで我慢かぁ・・・それにしてもずいぶんとあちこちのアジトが壊れてるなぁ・・・・」




雪の重さに耐え切れずに屋根が抜けてしまったアジトがあちこちにあった。







「まぁ、出掛ける前に雪かきしたからアトモスのアジトは大丈夫か・・・」




ガーヴィンは『Xウイング』で器用に建物を避けながら、アジトへ向かう。









「・・・ん?なんだぁ・・・ありゃあ・・・」







ガーヴィンはアトモスのアジト付近の旗と氷の壁を視界に入れ、Xウイングから下りた。






「まるで公式ルールでやる雪合戦のあとみたいだ・・・って、アジトが・・・壊れてる・・?」





ガーヴィンは慌ててアジトの側に駆けより、恐る恐る中を覗き込んだ。





そこには、気絶してのびてる仲間たちと一本の旗があった・・・・









「・・・・(デジャブか?)」








正月のことを思い出したガーヴィンは思わず頭を抱えた・・・・・。















「いやぁ・・すいませんね。お世話になってしまって・・」



「気にしないで。大変だったねぇ・・・」



「ええ・・・」





ここはアトモスとの交流のあるミ☆Linden☆ミ血盟のアジトだ。





そしてガーヴィンの愚痴に付き合っているのはプリンセスのAnise(アニス)。







「でも修繕費は無償だからまだ良いじゃん」



「そうですけどね・・・・」



「ところで・・・フィアは・・・?」



「さぁ・・・どこかで体を・・・いや。頭を冷やしているのでは?」






ガーヴィンは手元の熱燗をちびりと飲みながら遠い目をしている。





Aniseはそんなガーヴィンの様子に苦笑いを浮かべるしか無かった。


















「寒いよ〜」





「出してくれ〜」





「てか・・マジでトイレに・・・」







セレスフィアたちが目を覚ますと、何故かハイネの池の中に居た。





すぐに出れば良いのだが、首から下が氷に閉じ込められていて動けないのだ。







おまけに水だから実に溶けにくい。





傍から見れば池の上に生首が浮かんでいるのだから誰も近寄らない。






「ったく・・なんでこんなことに・・・」



「これじゃあ風邪ひいちゃうって」



「早く溶けないものか・・・」





「・・・・・」





「む?・・・・洋パパ?」





「く〜・・・く〜」




「寝るなっ!?寝たら死ぬぞ!」






「ぐ〜・・・」




「姫も寝るなーーーー!!!」




こうして一晩中凍った池の中にいた十二人は、全身しもやけ+インフルエンザにかかったとかかからなかったとか・・・

                                                         終わり



後書き

姫レベル50おめでとなのです!

実にめでたい日だけど小説はいつもどおり(ぇ

全身しもやけか・・・想像するだけでかゆい・・・

最近称号が「ネタ切れELF」になったわけですが・・マジでネタ切れですorz

まぁじっくり出していきますよ。

そんなわけで今回も楽しんでいただけたら幸いです。
                                  ガーヴィン


しもやけの前に凍死して死ねると思ったのは私だけでしょうか?w

ネタ切れ中だったのにもかかわらず、50祝いにと小説を送って頂きありがとうございます><

雪合戦か〜・・・今年は寒波の影響で記録的な大雪だったね^^;

横浜の方も10センチ以上雪が積って、雪の中を楽しそうに遊ぶ子供たちが微笑ましかったです。

久々のアトモスパロディ!今回も面白かったです^^v

ネタ切れだそうですが、ゆっくりとネタを集めて下さい(´・ω・`)

次回も期待しています!!
                                     2006年2月20日 セレスフィア