
作者/ガーヴィン 編集&訂正/セレスフィア
最初はセレスフィア(姫)の軽い一言から始まった。
「そろそろ鍋の季節も終わりかなぁ・・・・」
季節はいい加減春になり、そこそこ暖かくなってきたのだ。
「そうだな。暖かくなってきたし」
セレスフィアの言葉に同意するのは伏一貴。
「じゃあコタツもしまわないとね」
武器の手入れをしているのはリリオン。
「布団が恋しい季節が終わるな」
ソファーで寝転がっているのは新入りのレッドビー。
「じゃあ今度みんなで鍋やるか・・・くっ!・・・またバッドか!」
ギャルゲーを攻略し損ねて舌を打つのはラーウィ。
「でも何鍋にするの?」
と、コタツに入ってみかんをむいているのはカルリラ。
「それはやっぱり豚肉でしょ」
と姫。
「通ならアラの鍋だろ」
と伏一貴。
「パーッとフグチリなんてのは?」
とリリオン。
「うちのどこにそんな金があるの?一度仏跳墻って言うの食べてみたいんだ〜」
と、レッドビー。
「ふぁ・・・ふぁんちゅー・・・?そんな鍋よりしゃぶしゃぶにしようよ!」
とカルリラ。
「安さなら牡丹鍋にしようよ。猪ならそこらへんで狩れるし」
と、ラーウィ。
・・・・・・・四十分後・・・・・・
「牡丹鍋なんて獣臭いだけだ!」
「なんだと!?そっちの仏跳墻って言うやつは肉っ気がない軟弱鍋ではないか!」
「フグチリなんてベターな物を・・・アラの味がわからないなんておこちゃまですね。リリオンさん」
「そんなこといって・・・食ったことないんだろ?」
いつの間にか、アジトの中では自分の好みの鍋にする為に言い合いが始まり、大喧嘩になっていた。
「うるさーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!」
ドバーン!!
あまりの大喧嘩に、セレスフィアが(このために買ってきた)ちゃぶ台をひっくり返した。
そして・・・
「だったら闇鍋で決めよう!で、勝った人が翌日の鍋を決めれる!これでいい!?」
収集がつかなかったのか、一つの提案がセレスフィアから出された。
闇鍋
その言葉により、場の空気が急に変わった。
「ほう・・・闇鍋なんて漫画の世界の代物と思っていたが・・・」
と、変な関心を示す伏一貴。
「ルールは?」
と、意外と乗り気なリリオン。
「最後までギブしたり、トイレに行かなかったやつの勝ち、でいいんじゃないか?」
と、提案するレッドビー。
「面白い。蹴散らしてくれる」
と戦心を燃やすラーウィ。
「ああ。みんなの泣き顔が目に浮かぶ・・・」
と、不安そうなイリューザー。
それぞれが不気味に笑う中、
ヒィィィィィィン・・・・・
突如、アジト玄関前に響く機械音。
「あの音は・・・」
「ガーヴィンだな」
セレスフィアが扉を開けると、そこにはXウイングにぐったりと寝そべっているガーヴィンがいた。
乗り切らなかった手足は地面に何度も打ち付けたのか、青あざだらけだった。
「が・・ガーヴィン・・・?」
ガーヴィンの無残な姿に、カルリラは恐る恐る声をかけた。
「ぐあー・・・あんのやろぉ・・・〆切近いからって人・・・エルフを散々こき使いやがってぇ・・・」
「何があったんだ?」
さかのぼること一週間前・・・・
♪〜♪♪〜
「はいはいっと・・・」
ガーヴィンがベッドで寝そべっていると、電話がかかってきた。
ピッ
「はい、こちらガーヴィンです〜ピザの配達はやってませんよ〜」
「あ〜ガーヴィンさんですか〜?Aniseです〜」
「? 姫に用ですか?だったら電話を間違って・・・」
「いやいや。今日はガーヴィンに用があるの」
「は?何ですか?藪から棒に・・・」
「ガーヴィンは同人誌とかって興味ある?」
「はぁ・・・ありますが」
「いや〜うちでも近いうちに出そうかと思っているの」
「でもなぜ私に電話を?言っときますけど絵心無いですよ?」
「いや。絵の方はいいんだけどね、いかんせんストーリーを構成する人がいないのよ」
「なるほろ・・・・その為に私って訳ですか」
「そういうこと。バイト代ははずむよ?」
「う〜ん・・・・まぁいいですよ?」
「ほんと!?よかったぁ・・・じゃあ明日から来てくれない?急ピッチでやらなきゃいけないから・・・」
「オーケイわかった。じゃあまた明日。」
ピッ
「・・・・・ふぅ・・・」
Anisuからの電話で、バイトをする事になったらしい。
「で、その後行ったら修羅場も修羅場。一睡もすることを許されず、ドーピングは一時間おきがデフォルト、最終的には一箱丸々飲まないと効かなくなって・・・・」
それだけ説明が終わると、ガーヴィンは部屋に戻り、死人のように眠ってしまった。
「うわー・・・・なんかひどいですね・・・」
リリオンはガーヴィンの青あざを治しつつ、先程の話に舌を巻いた。
「そういえばこいつ今まで徹夜らしい徹夜のバイトは行ってなかったか?」
と、リリオンと同じくガーヴィンに同情する伏一貴。
「まだ若いのに大変だねぇ・・・」
と、ため息をつくセレスフィア。
「姫もそれぐらい頑張ったら、四コマがいい加減新作できるのでは?」
と、痛い突っ込みを炸裂するイリューザー。
「ぐっ・・・」
セレスフィアはイリューザーに何も言い返せなかった。
翌日・・・・
「胃腸薬は用意したか?」
手に袋を持って戦闘態勢の伏一貴。
「ふーさんこそ。復活スクロールは持ってきてますか?」
こちらも手に大きめの袋を持っているリリオン。
「救急車は手配してあるぜ?もちろん、俺以外のなぁ」
クックッと不気味に笑うのはレッドビー。
「ふふ・・・その言葉、そっくりそのまま返しますよ?」
不敵な笑みを浮かべるのはラーウィ。
「さって、ミカン・ジェノサイド(みかん地獄)を味わってもらいましょうか」
段ボールいっぱいに詰まったみかんを抱えているカルリラ。
「自称・アトモスの食いタンである私にこれが耐えられるのだろうか・・・・」
クーラーボックスを三つも持っているのはガーヴィン。
「総員、第一戦闘配備・・・・準備はいいかな?」
どこかで聞いた事あるような台詞を言いながら鍋のふたを持つのはセレスフィア。
皆、今から始まる闇鍋を前に妖気を帯びた気合が入っている。
「え〜っと・・・審判・調理は私Aniseが担当しますので・・・」
その空気にいまいち追いつけないのは手伝いで呼ばれて来ているAnise。
「それじゃあ闇鍋の証である・・・これをつけて」
Aniseは、人数分の細長い黒い布を取り出した。
目の前にまきつけると、突然模様が現れ、光で透かせば見えるはずなのに、まったく見えなくなる。
「これは・・・?」
皆がきょろきょろと周りを見回す気配がうかがえる。
「ガーヴィンに協力のしてもらって、ダークエルフのスカーフに特殊な呪印を書くと、光を完全にさえぎる物質に変化するって・・・言うらしい」
「仮にも製作者なんですから、自信持ってプレゼンしてください」
セレスフィアの自信なさげな発言に苦笑するガーヴィン。
そのあいだにも闇鍋は着々とは出来上がる。
「これは・・・そのまま入れるのかな?」
「これを入れるのは・・・ 正直まずいでしょ・・・」
「うわ・・・目にしみる・・・」
不安な発言がいくつも聞こえてはじめてきたが・・・
暫くすると中央のガスコンロに何かを置く音が聞こえた。
それは布ごしなのに・・・
「うあ・・・」
「くぅ・・・」
「涙が・・・」
「あれはまずかったなぁ・・・」
なんて声を上げるほど目にしみた。
「では・・・」
皆が手に箸を持ち戦闘態勢に入る。
「「「「「「「いただきます!」」」」」」」
戦いの火蓋は切っておとされた。
*ルールの確認*
一度箸に触れた物は絶対に食べる
食べられない物に触れた場合は無効
トイレに行く・その場で吐く・ギブアップで負け
勝者には翌日の晩御飯の決定権がある
「(先手必勝!)」
「(早い者勝ち!)」
「(早いうちに食ってしまおう)」
レッドビー・ラーウィ・リリオンの三人は我先にと箸を鍋に伸ばした。
しかし、箸が水面に入る前に、何かに触れた。
それは水分を吸う前は、もっちりとした皮だったのであろう。
大きさは・・・そう・・・まるで肉まんのような・・・
「ってこれ肉まんじゃん!!」
リリオンが叫ぶ。
「何だよこれ!」
ラーウィが狼狽している。
「誰だよこれ!入れたの!」
レッドビーの持つ箸が震えている。
「くっくっくく・・・」
不意にガーヴィンが笑い出した。
「ガーヴィン?・・・まさか・・・」
リリオンがガーヴィンの方向を向きながら冷や汗を浮かべる。
「そのとおり。必殺!ミートスタンプドバン・マイン(肉まん機雷)だ!一度箸で掴んだ物は食わなきゃいけないよぉ?」
いやらしそうな声を出すガーヴィン。
たぶん自分の策が理想的に成功したことが嬉しいのだろう。
三人が意を決してその物体を口に運ぶ・・・・
口の中には、甘いとも辛いともしょっぱいとも苦いとも付かぬ不思議な味が口に中に広がり、肉まんの独特の水分を吸った皮のべっとりとした感触が感じられ、中からは肉汁とスープの味が渾然一体となり・・・
「うぷ・・・」
「まず・・・」
「・・!!!」
三人は慌てて口を押さえると、スカーフを脱ぎ、トイレに駆け込んだ。
「そういえば、新製品のポーシ○ンってやつも入れたからな・・・って聞いてないか・・・」
視界が真っ暗な中、残りに四人も鍋に箸を入れ始めた。
「これは・・丸ごとのリンゴかな。まぁ・・・食べれない事もないか・・・」
と、セレスフィア。
「こいつは・・・レモンですね。まぁいけるいける」
と、ガーヴィン。
「・・・・・・ミカンだな。水分を吸わないからまだ食いやすいか」
と、伏一貴。
「くぅ・・・誰よ・・・ラーメンなんて入れたの・・・汁が絡まって・・・」
と、カルリラ。
「さてさて・・お次は・・・ん!バナナだね。皮をむいてっと・・・」
余裕綽々なセレスフィア。
「うあ・・・肉団子・・・中に汁が・・・」
机に突っ伏すガーヴィン。
「ぐああ!誰だ!小龍包なんて入れたの!中の汁が熱いって!」
あわてて水を飲む伏一貴。
「うあ・・・フローティングアイの肉・・・ミカンが食べたいよー!」
涙を流すカルリラ。
しばらくこのような状況が続き・・・
十分後・・・
「私はまだまだ余裕だよ〜」
鼻歌交じりのセレスフィア。
「くっ・・・私は・・・限界です・・・」
音を立てて崩れるガーヴィン。
「ぐっ・・・もう腹が・・・」
慌ててトイレに駆け込む伏一貴。
「はうう・・・もう・・・だめ・・・」
ギブアップを宣言するカルリラ。
これで勝者は・・・・
「やった〜!これで私の勝ちだね。じゃあ明日は豚鍋ということで!」
姫はスキップで台所へ向かっていく。
辺りからはゾンビ(と化したクラン員)達の断末魔が響き渡る・・・
不意にガーヴィンが姫のつけていたバンダナを自分にまきつけた。
「・・・・・・」
バンダナを無言で投げ捨て、ガーヴィンがゆっくりと立ち上がる。
不思議に思った周りの者も同じことをすると、皆同じようにゆっくりと立ち上がった。
「・・・・・どしたの皆・・・・」
セレスフィアは冷静を装っているが、手は確実に震えている。
「姫・・・イカサマしたでしょ・・・」
カルリラは地の奥から響くような声でセレスフィアに問いかけた。
「え・・・ナンノコトカナ?」
言葉がカタカナになるのはあやしい。
「あのスカーフ・・・模様は蛍光ペンで塗ってあって普通の布と変わりない」
「あそこから透かして見てたんだろ?」
「それなら有利なネタを取り放題」
「あーいう真剣勝負にイカサマはねぇ・・・」
「問答無用で・・・・」
「ちょ・・ちょっとまって・・・お、落ち着いて!とりあえず話を・・・」
「「「「「「聞く耳持たーーーーーん!!!!!!!!」」」」」」
「ぎゃああああああああああ!!!!!」
「そういえば最近は一人鍋ができる物が売っていたんだよな。」
「なーんで気付かなかったんだろうね」
「まぁいいじゃねぇか。うまいし」
「で・・・姫は?」
「あ〜も−ちょいいてもらおうかな〜」
「まぁ・・・あと一時間は出てこれないようしといたから」
ドンドンドン!!
「開けてー!本気で死ぬー!」
セレスフィアが閉じ込められたのは個室。
だが、ガーヴィンがサウナを楽しめるように改造している個室。
その後、サウナの個室で気絶したセレスフィアはそのまま水風呂に放り込まれ、皆が鍋を美味しく食べ終わるまで放置される事になった。
一番に食べ終わった伏一貴がセレスフィアの様子を見に行くと、水風呂の中で漂うセレスフィアの無残な姿があったとか・・・・
終わり
後書き
最近めっきりINしてないガーヴィンです。
だって某ツンデレオンリーのエロゲ面白すぎ(スパーン)
えーっと・・・以前五十時間するとか言ってましたが・・・エロゲー+CD+CDで無一文に!というわけであっさり挫折(テヘ)
でもそれなりにやったから多少は入っているといいなーなんて・・・
次は10作目ですよ!二桁ですよ!リネ戦ぜんぜん進んでませんよ!
というわけで某天竺を目指す物語や某刀を持った死神のバトル漫画からやる気とアイデアをもらってがんばりま〜す
ではノシ
ガーヴィン
な・・・・何か最近毎回オチが私ってかわいそうなんですけどーーーー_l ̄l○lll
普段の私ってガーヴィンにこういう風に想像されてるのね・・・(つTдT)w
まぁ・・・面白いからいいんだけど(いいのかよ)
今回はあまり時間が無かったので誤字などの少しの訂正しかできませんでした^^;
アトモスパロディシリーズももうすく2桁!?
この調子で次回も期待しています^^ノ
2006年3月26日 セレスフィア