作者/ガーヴィン 編集&訂正/セレスフィア


三月二日の真夜中。


アトモスのアジトの近くで、洋パパ、Ajqkj、ガーヴィンの三人が忙しそうに働いていた。




「こんな真夜中に作業をするなんて殊勝だな」

と、眠そうに目を擦りながらAjqkjが項垂れる。




「うう〜・・・ファー・・・」

娘恋しさに泣きながら作業をする洋パパ。





「泣いてる暇があったら手を動かせ!」

と洋パパを叱りながらも自分はやる気が無いAjpkj。






「でも・・・少なすぎですよ。これを作るのにこの人数って・・・」


洋パパはうんざりしながら、現在進行中で作っている建造物を見上げた。




「仕方ないだろう・・・人手不足なんだから・・・」


遠い目をしながら立ち尽くす洋パパを横目で見ながら、Ajqkjは思わずぼやいた。






「そういえばガーヴィンは?ここに残されてたはずですよね?」




「あいつは道具を作る係りだし・・・あの状況に声なんてかけられるか?」




Ajqkjが親指で示した方向の先には、暗いオーラを纏い、「ズーン」なんて効果音が出ていそうなガーヴィンがぶつぶつと呟きながら作業をしていた。




「なんだよ二十四点って・・・高校でこの点はやばすぎだろ・・・国公立はあきらめるかな?」








「ど・・・どうしたんでしょうか?(汗)」



ガーヴィンの様子を不気味に思った洋パパは、Ajqkjに問う。





「なんでも
『徹夜はダメ+中間テストが絶望的に悪かった』ので、凹んでいるらしい」



「はぁ・・・(汗)」


自業自得なガーヴィンを励ます事もできないので、洋パパはあいまいに相槌を打った。






暫くすると、ガーヴィンが死人のような顔で二人に「寝ていい?」と聞いてきた。



二人はギョッとしたが、ガーヴィンの死にそうな様子に、寝る事をを了承してあげた。









ガーヴィンはアジトのベッドに潜り込むと、



(他の皆はどうしてるのかな?)



と気にはなったが、襲ってくる睡魔に負けて深い眠りについた。















その頃、伏一貴とリリオンは傲慢の塔近くでジャイアントの大群から逃げていた・・・





「くっ・・・!このままじゃまずいぞりーさん!」


スティングを懐から取り出しながら伏一貴が叫ぶ。





「ええ・・・でも目標数にはまだ・・・!」


リリオンは逃げるのに必死だった。





「あの馬鹿姫・・・後で絶対殺す!再起不能になるまでなっ!!!くそっ」


と、恐ろしい事を言いながらも後ろを見ずにスティングを放つ伏一貴。





運良く一匹にトドメを刺して葬った。




リオンはMPが切れてしまい、戦闘は伏一貴に任せてひたすら逃げている。





「今回は・・・姫を庇うつもりはありませんね・・・
(絶対零度の微笑)



「まったく・・・覚えてろよ・・・誤字馬鹿姫!!
(怒)





セレスフィアの命もこれまでか・・・。














同時刻、二人の怒りの元凶である姫ことセレスフィアと旦那のルフィアンは・・・






「・・・っくしゅん!」




ギランの市場にいた。





「大丈夫か、フィア?」


突然横でくしゃみをしたセレスフィア気遣うルフィアン。





「うん、大丈夫。誰かが私の噂でもしているのかな〜・・・?」





ご名答。








「後は何を買えばいいんだ?」



「ん〜と・・・海老と海苔と・・・食紅かな」



「まだ買うものは沢山あるんだな」



「そうだね〜・・・あ〜!」



「ど、どうしたフィア!?」







「あそこの店にあるのって私が欲しかった装飾用の双剣!アジトを飾るのに欲しかったんだ〜」




「おい!そんなことしてると金が・・・フィア〜〜〜!(涙)」



突然走り出したセレスフィアを追いかけるルフィアン。






お金の無駄使いはやめましょう。












セレスフィアの無駄使いでルフィアンがおろおろしている頃、






カルリラとバルファーレは・・・花屋の前で喧嘩をしていた。




「何でオレンジの枝を持って来ているんですか?リラさん」



「え?だって使うのはオレンジの枝じゃ・・・」



「誰がそんな事を言いましたか!使うのは桃の枝って言ったはずです!」



「え〜?これでも良いじゃない♪」



「まだ花もついてないから使えません!というか常識では桃の枝なんですよ!返してきてください」



「え〜やだやだ〜こっちの方が良い〜おかあさ〜ん」



「誰がお母さんですか・・・(疲れる・・・)」





喧嘩というか、漫才・・・?















その頃、アジトでお留守番中のラスフェルとラスフェスは・・・




「飲んでもばれないよなぁ・・・この量なら」



「だめですよ兄さん。そうやってるうちに無くなったらどうするんですか!」




台所で甘酒作りに勤しんでいた。






「しっかし・・・そんなに大量に作っても、入れる器があるのか?」



自分だけリビングでのんびりしているラスフェルはふと疑問に思った。





それもそのはず、魔女が薬でも作るかのような大なべの中にはたっぷりと甘酒が入っているからだ。




「先程、外でガーヴィンさんが大きなとっくりを作っていましたから・・・あれに入れるのでは?」


その鍋を必死でかき混ぜているラスフェス。







「に、兄さん・・・・」



「なんだ?もうギブアップか?」



「・・・・・(こくん)」


「オッケー・・・貸しな」



泣きそうなラスフェスに変わって、ラスフェルがかき混ぜる。





「すいません。この酒気にやられて・・・・少し・・・酔って・・・・」





バターン!




「おい!ラスフェスーーーーー!?」




「すぅ・・・・すぅ・・・」



「寝ちまったか・・・(苦笑)」



ラスフェルはお酒の匂いに酔って寝てしまったラスフェスに毛布をかけてやると、一人黙々と作業を続けた。














そして明朝、各々が必要な物を携えアジトに戻ってきた。(一人は不機嫌で、一人は殺気を帯びていたが)





眠っていた人も起きてきて、最終作業へと突入。






「菱餅ってどうやって色つけるんだ?」



「食紅らしいですよ。ふーさん」



「じゃあ早速つくぞ。リーさん」



「オッケー・・・それ!」






バッチーン! ゴスッ




「―――――っ!!」





「あ、ごめんごめん」



「・・・・わざとか?(ぎろり!)」



「そんなことないって!(にっこり)」



「・・・・そうか(その笑顔が怖い)」



菱餅とあられ用の餅つきはリリオンと伏一貴が担当。















「しっかし・・・よく建てたなー」



「大変でしたよ・・・・二人だけだったし」



「ファーも居ないし・・・」



「関係あるのか?それ」





「う〜ん・・・関係あるのか?(パパには関係あるんでしょうね)」





「でも結構高いな〜。高所恐怖症の人は大丈夫か?」


洋パパとAjqkjの建てた巨大ひな壇に感心するルフィアン。








「ガーヴィン・・・」



「何ですか?マスター(マスター=カルリラ)」





「あの道具は?」



「雛人形用のぼんぼりとかですが」




「じゃあさ・・・あの楽器は何?」



カルリラの指差した先には、エレキ、ベース、アンプ諸々が山積みされていた。






「五人囃子の笛太鼓・・」




「エレキギターなんて使わないよ!?」



「でもこっちの方が面白いっすよ」



「まあね・・・ていうか動くの?(これって機械に接続しないと弾けないよね?)」





「はい。ラスタバド製の魔力機関を使っています」



「へぇ・・・で、その燃料は?」




「PLUTO(プル)さん」


「はぁ!?」





「冗談です。ランタンオイルを燃料としてますよ」



傍から見ると師弟漫才を繰り広げている様に見えるカルリラとガーヴィンだが、本人達は真面目に議論している。













「姫・・・いい加減疲れてきました」



「てか・・・なんでこんな物で?」



「ごめん・・・ラスタバドの機械ポンプが手に入らなかったの・・・」



灯油をストーブに入れるときに使うポンプで甘酒を巨大とっくりに入れている姫とバルファーレと双子たち。






「しかし、とっくりを傾けたままの体勢は疲れるでしょう。代わりますよ」



「大丈夫ー。けど早めにねー」



「・・・・・・(も、もうちょっとでフィアちゃんに手が・・・)」


どさくさに紛れて、そろりそろりと手を伸ばすラスフェス。しかし、





「ラスフェルー!!」



ルフィアンが目敏く気付き、瞬時に剣を抜きラスフェルに迫る。





「ルフィアン!」



乱闘になりそうな空気をガーヴィンの怒声が止めた。





「もしそれを壊したら・・・焼き増ししたこいつをばら撒くぞ」



ガーヴィンが懐から何かを少し覗かせると、ルフィアンは顔を真っ青にして動きを止め、作業に戻った。












それからは、皆が作業に集中し、昼頃には作業を全てを終えて他のクラン員たちも集まってきた。



「で、どのような配役に?」


と、姫に尋ねるAjqkj。




「まだ決まってない」


と、ペロッと舌を出すセレスフィア。




ガックリと肩を落とすクラン員。(数名、そんな姫のしぐさにノックアウト気味な者もいたが)





「じゃあ・・どうします?」



「とりあえずフィアが一番上だな(姫だしお雛様役決定だな)」



「あと、女性は三人しかいないから三人官女も決定ですね」



ラスフェスの言葉に全員が頷く。




「じゃあ・・あとは・・・」



「五人囃子に右大臣と左大臣、あと三人上戸だな」


考え込むリリオンに対して、伏一貴が素早く答えた。





「くじで決める?」




と、提案したのは先程やってきた早苗嬢。





「それじゃあ白雪姫(姫のノベル参照)の二の舞になるからある程度自由にしよう」




カルリラの提案に決まり、アンケートとる事になった。









<一番上>

ルフィアン

ラスフェル

霧流(さっき来た)

セレスフィア(決定)



<三人官女>

早苗嬢(決定)

カルリラ(決定)

バルファーレ(決定)



<五人囃子>

ラスフェス

PLUTO(さっき来た)

リリオン

ガーヴィン



<右大臣か左大臣>

Ajqkj

洋パパ



<三人上戸>

伏一貴

スタパラ(さっき来た)








「なかなかいい具合にばらけましたね」


とPLUTOが楽しそうにアンケートの結果を眺めている。





「誰が一番上になります?」


と、困った顔のリリオン。






「それに関してはこいつを・・・・」


そう言うと、ガーヴィンは三つの饅頭が載った皿を取り出した。







「これは?」




ルフィアンが不思議そうに皿を見つめる。






「こんなもので決めるのか?」


少し不満そうなラスフェル。






「この中であんこ味のまともな饅頭は一個だけ。それを食べた人が一番上になれるのですよ」

というガーヴィンの説明に、ロシアンルーレットだと理解した。




「じゃあ残りの中身は?」

と、霧流が思いっきり嫌な顔で饅頭を睨む。





「一つは豆板醤(トウバンジャン)た〜〜〜〜〜っぷりの、激辛饅頭」




「じゃあもう一つは?」




「某魔界のお姫様手作り饅頭」




「何でそんなものがハズレに?(というかどうやって手に入れたんだ)」




セレスフィアの質問にガーヴィンは、




「食べれば分かりますよ・・・」


と、顔を青くしながら言った。




「じゃあさっさと決めようぜ」


霧流が饅頭を1個取る。





「・・・・・(絶対フィアちゃんの隣に!)」



続いてラスフェルが気合十分で饅頭を取る。







「じゃあ俺はこれ」


と、残りの一個はルフィアンが取った。






「せーの、で口に入れるんだよ」



ガーヴィンの指示にうなずく三人。






「「「せーの!」」」





パクッ




三人が同時に饅頭にかぶりついた。






「・・・・・・・・・」




最初は何も反応がなかったが、霧流が尋常ではない量の汗を掻き出し、









そして・・・






「ひあーーーー!!ひはがーー!!ひはがーー!!(舌がーー!!舌がーー!!)」



霧流は舌を突き出しながら叫び、ジタバタと暫くもがいた後、どこかへテレポートしてしまった。




大方ハイネの池の水でも飲んで冷ますつもりだろう。





「はい。霧流さんアウトー」





「じゃあどっちかが当たりかな?」




スタパラは霧流に合掌を送りながら他の二人を傍観中。






暫くすると、ルフィアンが口元に笑みを浮かべながら頷いた。





「俺が食べたのは普通の饅頭だ」




ルフィアンの勝利確定。








「じゃあラスフェルがはずれ?」



カルリラが不安そうにラスフェルを見つめる・・・だが、





「でも、少しも反応がないぞ?」



Ajqkjが固まったままのラスフェルを突付く。






「ラスさん〜?」




バルファーレがポンポンと肩を叩いてみる。







ゴスッ!! ガンッ、バターン!!







するとその弾みでラスフェルは膝を崩して頭から倒れてしまった。






「兄さん!?兄さん〜〜〜〜〜〜どうしたんですかっ!?」






ラスフェスが慌てて駆け寄り、ラスフェルの口元に手をかざす。







「息がない!誰か救急車!復活スクロールをーーー!!!(滝汗)」





「・・・・即死?」




「たぶん・・・・・(ガタガタ)」






「・・・・(よくあいつは腹痛で済んだな)」





誰の事かはご想像にお任せします。













そんなこんなで決まった配役は、




三人上戸の段



「ひぃぃぃぃぃ!!舌が〜〜〜〜(泣)」

泣き上戸の霧流。



「泣きすぎだよ霧・・・(くすくす)」

笑い上戸のスタパラ。



「うるせぇ・・・・・」

怒り上戸の伏一貴。






左大臣・右大臣の段



「平和ですね」

左大臣の洋パパ。



「暇とも言うかな・・・」

右大臣のAjqkj。






五人囃子の段



「兄さん・・・大丈夫?」

ベース担当のラスフェス。



「ああ・・・・」

まだ半分魂の抜けているドラム担当のラスフェル。



「どんな味だったんだろ・・・(想像するのも怖い)」

エレキ担当のリリオン。



「何であんな物を用意したんだ?」

エレクトーン担当のPLUTO。



「うーん、私が食べた時は腹痛が一日中続いた程度なのですが・・・」

ボーカルになってしまったガーヴィン。







三人官女の段



「なんか騒がしいね」

左側担当のバルファーレ。



「ねえ知ってる?三人官女の真ん中って眉毛そってるらしいよ」

右側担当の早苗嬢。



「えっ!?マジで?(汗)」

真ん中担当のカルリラ。










一番上



「結構高いね〜」



「で、この後どうするんだフィア?」



「記念撮影して終了♪」



「カメラ係は?」




「あ・・・・」




結局、通りすがりの人に写真を撮ってもらってアトモスのひな祭りは無事終了した。















・・・・記念撮影の後・・・・・






「ど、どうして動かないんだフィア?」



「あ、足が痺れて・・・そう言うルフィアンは?」



「お、俺も足が・・・・」





ピリピリピリ・・・・・・





「ファイアーストーム!」



「あぁぁぁ!!霧流さん、それ来年も使うんですよ!」



「え・・・マジ!?」





ゴォォォォォォ・・・・・・











「本当にどんな味だったんだろう・・・」



「もう一個ありますが、食べますかスタさん?」



「いや、遠慮しとく・・・」







「覚悟はいいな?そこの馬鹿姫」



「え?ナンノコトカナ?伏・・・(滝汗)」



「再起不能になるまで暫く死んでろ!!!」





「え、ちょっ!!リオンーーーーーー助けて〜〜」





「あ、そうだ。用事があったからもう帰るね。じゃ〜ね〜(にっこり)」






「リオン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」






「残念だったな・・・歯食いしばれ!」




「あぎゃああああああああああああああああ!!!?」







無事に終わった・・・のかな?

                                                         終わり 



後書き

今回はひな祭りで〜す。

中間が終わった訳ですが・・・・絶望的でした!

もう東尋坊か富士の樹海にでも行こうかと・・・・冗談ですよ!

それはともかくなんとネタ切れです!

後二作品くらいの余裕はあるのですが、それ以降が思いつかなくて(汗)

まぁ思いつくでしょ・・・・いつかは・・・・
                          ガーヴィン



いや〜今回はひな祭りですか!いつも面白い小説をありがとうございます!

後、お詫びしなければ・・・編集遅くなって申し訳ありませんでした!!_l ̄l○

本当はガーヴィンから1週間も前に小説を受け取っていたんですが・・・(´・ω・`)

中々、今回は編集に時間が掛かったのと、編集する時間があまり無かった事により遅くなりましたTT

楽しみに待っていた方、本当にごめんなさい〜_l ̄l○

                                 2005年11月6日 セレスフィア