※( )が中の人です アイテムもオリジナルな物アリ カノープスイベントで盛り上がっているアデン、その一角を姫ことセレスフィアが歩いていた。 「お腹すいたな〜。今日のご飯は何にしよう」 また別の一角を伏一貴がお守りを持ちながら歩いていた。 「まったく・・・毎日お参りもしてるのに何故いつもいつも・・・」 二人は考え事しながら歩いており、曲がり角に差し掛かった時 どっしーーーん☆ タイミングばっちりにぶつかった。 「きゃっ!だ、誰?」 「ってえな・・どこに目をつけて・・・」 二人は目の前の人物の姿を見た。 伏一貴の見た相手の姿はダークエルフ。 しかしタバコをくわえ、先程買ったお守りとよく似た物を持っている。 セレスフィアの見た姿はプリンセス。 しかしアトモスとよく似たエンブレムを持っており、先代から受け継がれた物とそっくりな剣を持っている。 まるで自分みたいな・・・・・ 二人は改めて自分を見た。 それはよく知っている人物のような・・・ 「・・・・・伏?」 セレスフィアは自分の目の前のプリンセスに問いかけた。 「・・・姫か?」 伏一貴は自分の目の前のダークエルフに問いかけた。 二人は同時にうなずきそして・・・ 「「ええええええええええええええええええええええええ!?」」 二人の奇妙な叫び声はアデンの空に響き渡った。 その頃、話せる島の決闘場にはラスフェスとガーヴィンが向かい合っていた。 「・・・・・後悔はないですか?」 「・・・・・」 ラスフェスの問いかけに、ガーヴィンは無言でうなずいた。 ラスフェスは剣を構え、ガーヴィンは普段使わないはずのエルヴンスピアーを構えた。 二人の周りを静寂が包んだ。 そのまま永遠に過ごすのかと思えるよう静寂だ。 キュィン! その静寂を破ったのはガーヴィンだった。 ガーヴィンは瞬く間にラスフェスの視界から消えた。 「は、速い!」 ラスフェスの後ろから空を切り裂くような音が聞こえる。 慌てて振り向き、剣で攻撃を防ぐラスフェス。 お互いそのまま硬直するがラスフェスがガーヴィンの槍を弾き、斬りつける。 しかしそこにはガーヴィンの姿はなく、剣は空を切った。 (なんだこの速度は!?尋常じゃないぞ!) しばらくの間はその繰り返しになり、ラスフェスは長期戦になると覚悟したが、終わりはすぐに来た。 お互いにらみ合いが続き動こうとした時、ガーヴィンがこけたのだ。 慌てて体勢を立て直そうとするが、ラスフェスから素早くのど元に剣を突きつけられてしまった。 ガーヴィンは槍を捨て、両手を上げて降参した。 「やれやれ・・・・やはりラスフェスさんには敵いません」 へたり込んだまま靴を脱ぐガーヴィン。 「私も驚きましたよ。どのようにしてあのような速度を?」 と、微笑みながらガーヴィンに手を差し出すラスフェス。 「これですよ」 ガーヴィンは先程まで履いていた靴を指差した。 一見なんら変哲のないブーツだと思って見ていると、くるぶし辺りに精霊の水晶が埋め込まれている事気付いた。 「これ・・・ウィンドウォークじゃないですか?」 「そのとおり。 こうやって水晶を開放せずに剣などの媒体で覆うと、その魔法を誰でも行使できる訳です。」 「でも、あんなスピードは普通出ないですよ?」 「開放しないで使うと魔力のかけ具合が自分で決められるんです。 すごい魔力をかければ、瞬間移動のように動けますよ。 でもおかげで足はガクガクです」 「これ売っているのですか?」 「まさか。自分で作りました」 「自分で!?すごいじゃないですか」 「他にも結構作っているのですが・・・なかなか上手くいかなくて・・・」 ガーヴィンがラスフェスに説明をしていると急に血盟チャットが騒がしくなった。 「みんな!アジトに戻ってきて!」 伏一貴からの呼びかけだ。 「どうしたのでしょう?それに妙ですよね」 伏一貴の慌てた様子に首をかしげるラスフェス。 「ええ・・・伏のアニキはあんな喋り方じゃないはずです」 と、ガーヴィンも首をかしげた。 「とりあえず戻ってみましょう」 「そうですね」 二人はアジト帰還スクロールを使って、瞬時にアジトに戻った。 アジトには他のクラン員も呼び出されており、それぞれが机を囲み所定の位置に座っていた。 そして上座にはセレスフィアと、なぜか伏一貴が座っていた。 「みんなに集まってもらったのは・・・」 伏一貴(姫)が口を開き、先ほど起こった件の一部始終を話し始めた。 最初は「何を馬鹿な」と、信じていなかった人も居たが、 二人の仕草や癖、さらには本人しか知らないような質問をし、皆が「まさか?」と、思い始めた。 「まさか・・・本当に・・・?」 ルフィアンがセレスフィアをまじまじと見つめる。 「だからそうだって言ってるでしょ」 と、伏一貴(姫)が答える。 「図らずともまた災難を受けたな。伏」 と、ラスフェルがため息をつく。 「ちゃかすなよ・・・」 と、姫(伏)が答える。 何とも奇妙な光景が繰り広げられた。 「しかしベタベタですね〜。ご都合主義なゲームの二次創作だって最近はないですよ」 ガーヴィンは呆れた顔でこめかみを押さえた。 「ご都合主義なのはひm「なんか言った?」 ラスフェスの声を瞬時に遮る伏一貴(姫) 「何でもありません・・・・・・」 すごすごと引き下がるラスフェス。 言い方は姫でも、見た目が伏一貴なので迫力がありすぎるらしい。 「でもどうやって戻るんだろ?」 バルファーレは心配そうに姫と伏一貴を交互に見つめてキョロキョロしている。 「確か二人がぶつかった時に入れ替わったんだよね」 と、セイクレット。 「では、逆の発想でもう一度ぶつけて・・・ 「「ダメだ!絶対ダメだ!もう一度密着させるなんて・・・っ!!」」 洋パパの提案を猛反対するのはルフィアンとラスフェル。 「でも・・・まぁ・・・しばらく様子を見るのが無難じゃないかなぁ?」 と、ガーヴィンが提案を出した。 「そうだな。暫くしたら元通りなんて事ありそうだし」 と、ラスフェルが納得。 「私は兄とガーヴィンで象牙の塔の書庫で調べてみます。あ、拒否権はないですよ」 ラスフェスが席から立ち上がり、 「いいですよ。私のレベルじゃ入れなくて」 ガーヴィンもラスフェスの提案に賛成して席を立ち上がる。 「えーっ。めんどくせー・・・」 と、ラスフェルもしぶしぶ二人の後を追いかけた。 「しかし・・・これから大変だな・・・」 姫(伏)が胡坐をかきながら深くため息をつく。 (・・・その姿で胡坐をかくのはやめて伏>姫の心の声) 姫(伏)の言葉通り、その日からはどたばたの連続だった。 ある日は・・・ 「もう!私の体でタバコを吸わないで、って言ってるでしょ!」 「仕方ねえだろ・・・」 「だ・め・で・す!絶対禁煙!」 「ちっ・・・」 またある日は・・・ 「入るぞー」 「ちょっと待ったぁ!!」 「は?」 「伏のアニキ・・・体はクイーンなんですよ(汗)」 「あ・・・」 「だから湯浴みは女性方とお願いします!!」 「まぁ俺はかまわないけどな・・・」 「兄さん!?」 またまたある日は・・・ 「まったく・・・全然手入れしてないじゃない」 「・・・やり方が分からん」 「もう・・・毎朝やらないと髪が痛むよ?」 「こんなことを毎朝やってたのか?」 「そうよ〜少しは女性の大変さがわかった?」 「だから金が無いんじゃねえのか?」 「う・・・」 さらに・・・ 「こらぁ!伏一貴」 「どうした?ガーヴィン」 ガーヴィンは顔を真っ赤にして手にしてた本を床に叩きつけた。 「あんただろ!まったく身に覚えのないエロ本に、俺の名前を書いてリビングのおこたの上に置いたのは!」 「ああ、それもういらないからな。お前くらいの年には必要だろ」 「ふざけるな!みんな(特に女性たち)に見られてどれだけ恥をかいたか!」 「ふっ・・・そんな事言って・・・ほんとは嬉しいんだろう?」 「悪びれもしねえか・・・ 上等だ!試作兵器『黒魔砲(黒魔石をエネルギーとするビーム砲)』で骨の欠片残さず吹っ飛ばす!」 背中に背負っていた巨大な筒を姫(伏)に向けるガーヴィン。 「当てられるものなら当ててみな」 猛スピードで逃げる姫(伏) 「くそっ!」 照準を合わせつつ追いかけるガーヴィン。 「こらぁー!それ私の体なんだから骨の欠片残さず吹っ飛ばさないで!」 そして一週間経っても二人は元に戻らなかった。 ラスフェス達が象牙の塔で調べた方法を一通り試し、 ルフィアンたちを渋々了承させ強くぶつかってみたが効果はなかった。 「う〜ん・・・ほかに方法はないよ?」 頭を抱えるガーヴィン。 「あの時とまったく同じ状況なんですよね?」 腕を組みながら考えるラスフェス。 ラスフェスの言葉に頷く二人。 「・・・・・もーダメ・・・・ギブ・・・・」 お手上げ状態のバルファーレ。 アトモスのアジトはロダンの「考える人」の展覧会になっていた。 「ぶつかっただけじゃないとか?」 しばらくするとラスフェスが呟いた。 「どういうことですか?」 その言葉に近くにいたガーヴィンが反応した。 「さぁ・・・なんとなく・・・」 ラスフェスは無意識に呟いたらしい。 「ちょっと聞いてみるっす」 「え?聞くって・・・」 ラスフェスが話し終えないうちにガーヴィンが二人に何かを問いかけているようだった。 すると二人は顔を真っ赤にした。ガーヴィンは少し顔を赤くして戻ってきた。 「えーと・・・その・・・二人は・・・なんだ・・・えー・・・」 「はっきり言ってください」 うやむやなガーヴィンをラスフェスは戒めた。 「一度しか言いませんよ・・・ぶつかった拍子に・・・キス・・・したらしいです・・・」 「き・・・・キス!?」 それを隣で耳ざとく聞いていたラスフェスが、思わず大声を上げた。 それを合図にアジトは上へ下への大騒ぎだ。 「伏――――!!貴様という奴はーーーー!!」 「元に戻ったら覚悟しとけーーー!!!」 「姫・・・・本当に伏さんと?」 「これって・・・三角関係!!?」 「あ、あれは事故だったの!!(真っ赤)」 「とにかく!二人がもう一度キスをしたら・・」 「んなもん許すかーーー!!」 「断固反対!!」 ギャーギャーギャー!!! 「あーもう・・・食らえ!!」 ガボッ!!バタン!! ラスフェルとルフィアンの口の中に何かが入り、二人が倒れる音で室内は静かになった。 二人の口に何かを押し込んだ張本人、ガーヴィンの両手には半分になった饅頭が握られていた。 「あの時(ひな祭り参照)の饅頭を取っといて良かった・・・」 「まさかあの饅頭・・・?(汗)」 「イエス。そんなことより、二人の魂が戻ってくる前にここに入ってください!」 そう言いながらガーヴィンは姫と伏一貴の二人を個室に閉じ込めた。 15分後・・・ 「う、う〜ん・・・」 「あれ?さっき綺麗な花畑が・・・」 気絶していたルフィアンとラスフェルが目を覚ました。 「目、覚めた?」 苦笑しながら二人に水を渡すセイクレット。 二人は水を飲みながら思い出したように、 「そーだ!伏の野郎!」 「あいつはどこだ?」 「個室ですよ」 怒り狂う二人に冷静に答えるガーヴィン。 「な、何〜!」 「あの野郎!ぶっ殺してやる!!」 足音を荒げて個室に向かう二人。 が・・・ 「あ、蹴破ろうとしたら黒魔砲で吹っ飛ばされる覚悟はしといてください(結局あの後当てられなかったからな)」 ガーヴィンが二人に巨大な筒を向けていた。 二人は足を止めてガーヴィンを睨みつけた。 「なぜ止める」 ぼきぼきと拳を鳴らすルフィアン。 「まぁ落ち着いて。ルフィアンさん」 「あ?」 「自分の嫁が中の人が違うままでいいと思います?」 「いや・・・それは・・・」 口ごもるルフィアン。 「ラスフェルさん」 「ん?」 「姫が男のままで良いと思います?」 「そ、それは・・・」 うつむくラスフェル。 「だったらこのままじっとしていてください!」 「「はい・・・」」 なんだか二人が小さく見えたのは気のせいなのだろうか? 45分後・・・ 「遅すぎねぇか?」 扉のほうをじっと見つめるルフィアン。 「そもそもあの部屋って何ですか?」 と、洋パパ。 「個室だったよ」 と、バルファーレ。 「何に使うんですか?」 と、セイクレット。 「一人になりたいときや懺悔をするとき、後叫びたいときとかに使うから完全防音ですよ」 ガーヴィンが説明する。 「完全防音ねぇ・・・」 といいつつ耳を扉に押し当てるラスフェル。 「何してるんですか・・・兄さん・・・」 呆れるラスフェス。 さらに・・・ 「90分は遅いですね・・・」 さすがに心配になってきたガーヴィン。 「なにかあったのか?」 と、そわそわ落ち着きの無いルフィアン。 「ひょっとしてあれかな・・・」 「あれって?」 ガーヴィンの言葉に反応するバルファーレ。 「あの個室にいろいろ入れてたんです・・・練炭とか・・・それに火がついたとか・・・」 全員の頭に嫌な光景がよぎった。 「まさか・・・」 顔面蒼白のラスフェス。 「嘘だろ・・・」 目を見開くルフィアン。 「は、早く鍵を!」 セイクレットが慌てて指示を出す。 「は、はい!」 懐から鍵を取り出し扉に駆け寄るガーヴィン。 ガチャ・・・ 「「「「「「え!?」」」」」」 全員が拍子抜けした。 なぜならそこには、仏頂面のダークエルフと少し笑みを浮かべたプリンセスが居たからだ。 「フィ、フィア?」 ルフィアンが恐る恐る尋ねた。 「うん!」 姫が笑顔で返事を返した。 「・・・てーことは?」 「元に戻った?」 「・・・・ああ」 元に戻った伏一貴の一言で、アジト内部は歓声で満たされた。 「良かったーーー!」 「死んでなかったのかーーー!」 「冷や冷やしたぜ!」 「ねえ、中で何があったの?」 誰かの一言で姫は真っ赤に、伏は少し赤くなった。 「何かあったのか?」 「な、何にもなかったって!」 そう言いつつ伏一貴の腕に抱きつくのだから、何もないわけがなかったはずだ。 伏はますます赤くなる。 (伏の野郎・・・・) (やっぱ殺す!) (あやしいな・・・) (まさか・・・) (やっぱりツンデレ系だな) 誰の心の声かはご想像・・・。 その後・・・ 「あれ?改造武器が減ってる。 誰か使ってるのかな?まあいいや。 さて、個室のほうは・・・あれ!?オペイクポーションから精製した精力剤が一本もない!結構あったのに・・・」 騒ぎが収まったアジトの中で、 ガーヴィンが数の減った改造兵器と1本も無くなった精力剤を目の前に頭を抱えていた。 その頃・・・ ズゴーン!! バゴーーン!! ドガがガがガッ!? 「逃がさないと言っただろ!!」 「お前は俺が撃つんだ!!今日、ここで!!」 ルフィアンとラスフェルが、アデンの街中を改造武器のフル装備で伏一貴を追い回していた。 「二人ともーー!!街がーーー!!」 姫の制止の声も聞こえないようだ。 当の伏一貴は文字通り死ぬ気で必死に逃げていた。 ・・・・・もっとも二人は後で姫にこってり叱られ、壊れた町の壁や家を修理したのは言うまでも無い。 |